シンガポール入港 − 2002年1月5日−

 何度この港に来たことだろう。シンガポールは給油・給水・プロビジョン(食材の仕入れ)において、非常に重要な港だ。安いし質も中の上。シンガポールのチャンギ空港がアジアのハブ的存在であることは言うまでもない。そんな理由から、この港にはたくさんの客船が入港する。私達の船はムアラを早めに出港したことも手伝って、かなり早く、入港予定日の前日、22:00に入港した。

 


 入国審査はいつもの人達、客船慣れしたシンガポールの入管はたった二人でも、仕事は超早いのだった。わずか40分ちょっとでスタンプを押し終わり、あとはボーディングブリッジがつくのを待つばかりとなった。22:00、無事着岸も終わって、さあ下船許可をだそうとなったときにエージェントがさらっと「下船してもいいよ。パスポート携帯させてね。」と一言。ええーっ、そんなの聞いてないよ!!どうやら例の9/11のテロ事件以降、港の警備が非常に厳しくなり、あれ以来パスポート携帯を義務にしている、とのことだった。なんでそんな大事なこと、事前に言ってくれないのよーっと恨みつつ、嘆いていても仕方がないので、返却体制に入る。



 一言に返却、といっても大変だ。何しろ650人。パスポートも650冊。通常はアルファベット順に並んでいるのだが、それをお客様番号順に並び替える。こういうときは人海戦術に限る。大人数集め、一気に並び替え、そして返却がはじまった。結果的には23:00にはほとんどの人にPPを返し終わり、PPを返却された人から下船が可能となった。わずか一時間で返せたのだから、上出来といっても過言ではないだろう。
 もうすでに夜中と言ってもいい時間だったが、ターミナル内のスーパーが開いていたりしたので、降りた人も多いようだった。
シンガポールの玄関口・ワールドトレード
センター。毎日数多くの客船が寄港する。

 翌日はターミナル内のマクドナルドで朝マックを堪能。日本を離れると、こういう普段はあまり食べないものでも懐かしくて食べたくなってしまうのだ。シンガポールの朝マックはほとんど日本と同じ!べちゃべちゃなホットケーキがたまらない。そのあと隣にあるスターバックスで、残り3ヶ月分というつもりで1kg豆を購入。それが済むとすぐに本船に帰り、出国の準備に取りかかった。

 今クルーズには、短い時間だったが、東京からシンガポールの区間に叔父と叔母が乗船していた。9月11日のテロ以降、客足が激減してしまったこのクルーズの赤字を少しでも埋めるため、スタッフにはものすごいノルマが課せられ、その一部を、叔父と叔母に助けてもらったのだ。デッキに出て見送ろうと思っていたが、気がつくとすでに岸壁を離れていた。そういえば、出港OKの合図を出したのは私だった、と作業の手を止めてふと、窓の外を見た。どんよりした海にさんさんと輝く太陽が印象的だった。。朝マックで終わっってしまったシンガポール。さらば。



 さらっと書いてみたが、この時、私にとってはおっそろしい事件が起こった。仕方なかったような状況だったけど、私のミスとも言える。シンガポールはこのときすでに10回近く入港していたという、油断も手伝ったのだろうか。出航して10日、睡眠不足は限界まで達していた。誰もが疲れていた。だから起きた、そんな事件だった。この先も、慎重に物事を進めていくために、ここに書いておくことにする。何が起きたかは、私の胸にしまっておくことにしよう。

モドル

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